2004-09-25 某日、死に場所を探していると、乃木神社に着いた。資料館には、自害に使われた刀が二挺、誇らしげに光っていた。その日の朝のいつもと変わらぬ記念写真。肉を抉り血糊に曇ったはずの刃は、役目を終えた人生のように、そ知らぬ顔で、室内の光を映しつづけていくのだ。男は武人としての死に場所を求めつづけ、やっと最愛の天皇の崩御という絶好の機会を得たわけだが、ともに果てた静子夫人の死は、やはり、痛ましいとしか言いようがない。 自殺